2026年2月、日本の気候変動影響を総合的にまとめた「第3次気候変動影響評価報告書」が公表されました。
600ページを超える膨大な報告書は、気温・降水の変化から、農林水産業、自然生態系、健康、経済まで、私たちの暮らしのすべてに関わる“未来予測”を示しています。
気候変動は、もはや「環境問題」ではなく「生活の問題」。
この記事では、報告書の要点をわかりやすく整理し、私たちがどんな未来を選べるのかを考えていきます。
📘 第3次気候変動影響評価報告書とは?
国が約5年ごとにまとめる、日本の気候変動影響の総合評価
最新の研究論文・観測データをもとに作成
7分野・80項目にわたり影響を分析

報告書の分野と分野別の引用文献数
自治体・企業の適応策の基礎資料にもなる公式文書
報告書は「概要版」「総説」「詳細版」の3種類があり、目的に応じて読み分けられるようになっています。
📖2026年2月16日、その最新の👉「第3次気候変動影響評価報告書」が公表されました。
🔵 1. 日本の気候はどう変わっている?(青:気候)

🔵 気温
└ 過去100年で +1.4℃
├ 猛暑日:増加
└ 冬日:減少
🔵 雨・災害
└ 極端な豪雨:増加
└ 台風の強度:上昇傾向
└ 海面上昇:沿岸部リスク増大
🔵 海の変化
└ 海水温上昇
└ 酸性化・貧酸素化
🟢 2. 自然環境への影響(緑:自然)
🟢 高山帯
└ 植生が10〜15%に縮小
└ ライチョウ生息域:現在の0.4%

🟢 森林
└ ブナ林:本州太平洋側〜西日本で消失の可能性

🟢 竹林
└ モウソウチクが東日本へ拡大、北海道南端まで

🟢 海の生態系
└ サンゴ:4℃上昇で日本近海から消失
└ コンブ:1980年代の0〜25%に縮小


🔴 3. 食料・健康・経済への影響(赤:リスク)
🔴 農業
└ 米の品質低下(白未熟粒の増加)
└ 4℃上昇 → 収量20%減(現行品種)

🔴 畜産
└ 乳牛の乳量低下(本州全域で顕著)

🔴 水産
└ 魚の北上(サケ・ブリ・マグロ)
└ スルメイカなど資源量の大幅減

🔴 健康
└ 熱中症搬送者:4.5倍に増加(中頃)
🔴 経済
└ 洪水・内水氾濫:年数兆円規模の被害
└ 沿岸部の重要施設:2050年に140兆円規模の影響
🔵🟢🔴 4. “2℃の未来”と“4℃の未来”の分岐点
🔵 2℃の未来(影響は抑制可能)
├ 農業被害:軽減
├ 自然:一部は維持
└ 熱中症・災害:増加はするが制御可能
🔴 4℃の未来(深刻な影響)
├ 農業:収量・品質の大幅低下
├ 自然:高山帯・サンゴなど消失
└ 社会:災害・経済損失が深刻化
🌱 5. 私たちができること(適応 × 緩和)
🟢 適応(影響に備える)
├ 高温に強い品種の開発
├ 都市の暑熱対策
└ 災害リスクの可視化・避難体制
🔵 緩和(原因を減らす)
├ 省エネ・再エネ
├ 脱炭素の企業行動
└ 個人の選択(移動・食・暮らし)
≪※参考≫
第3次気候変動影響評価報告書(概要版)[PDF 1.83MB] (令和8年2月)
第3次気候変動影響評価報告書(総説)[PDF 9.90MB] (令和8年2月)
日本の気候変動2025 ―大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書―
第3次気候変動影響評価報告書(詳細)[PDF 9.90MB] (令和8年2月)
